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本帰国しました。   

ご報告が遅くなってしまいましたが、今年の5月に博士号を取得し、日本に本帰国しました。帰国してから二ヶ月ほど経って、ようやく落ち着いてきた気がします。

これからは、留学期間中に得たものを活かして、積極的にアウトプットを出していきたいと思います。仕事との兼ね合いで、自由に外部に発信するというわけにはいきませんが、頑張っていこうと思います。

今後ともよろしくお願いします。

# by sohei719 | 2009-07-25 01:49 | 徒然

A course in game theory が無料でDL可能に   

ついにオズボーン・ルービンシュタインの名著 A course in game theory が無料で入手できるようになったようです。ルービンシュタイン教授は、自著を無料で公開する方針をとっていましたが、この本は長らくその対象外でした。ダウンロードはこちらからできます(登録が必要)。

学部上級~大学院初級レベルのゲーム理論の教科書といえば、ギボンズが有名ですが、これだけでは「知識」「メカニズム・デザイン」「協力ゲーム」などがカバーされません。大学院上級レベルの教科書である Game Theory by Fudenberg and Tirole はちょっと敷居が高い気もします。その点、この A course in game theory by Osborne and Rubinstein は中級レベルの良い橋渡しになるのではないでしょうか。守備範囲的にもレベル的にも、この3冊は相互に補完しあう関係にあるように思います。

個人的にこの本の好きなところは、ゲームの動学をフローチャートのかたちでわかりやすく書いてくれていることですね。理系出身者向きの本かもしれません。第5章「知識と均衡」、第9章「繰り返しゲームにおける複雑性」、第10章「遂行理論」、そして第4部「協力ゲーム」などはオススメです
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A course in game theory by Martin J. Osborne, Ariel Rubinstein (MIT Press, 1994)

# by sohei719 | 2009-05-14 05:46 | 経済学

ディフェンス後   

ディフェンスは終わりましたが、まだ博士論文が完成していないので、相変わらずの引きこもり生活が続いています。ディフェンスで色々指摘されたところを直しつつ、体裁を整えていく感じです。

本文と図表のフォントの整合性が取れていないせいで発生している問題の対処などもしなくてはいけません。これは初めから注意しておくべきでした。

同じ失敗をしないように、フォントは統一するようにしましょう。MATLABなどのソフトウェアで図表を作るときは、Texで一般的に使われている
cmr10 (Computer Modern Roman)
cmmi10 (Computer Modern Math Italics)
cmsy10 (Computer Modern Symbol)
cmex10 (Computer Modern Extended Symbols)
cmti10 (Computer Modern Text Italics)
cmbx10 (Computer Modern Bold Extended)
などのフォントを使うようにするのがいいと思います。

(5/10追記)MATLABのグラフをEPS出力すると、フォントが強制的にHelvetica等に変換されてしまうようです。問題は根深い。

# by sohei719 | 2009-05-08 18:06 | 徒然

物が捨てられない人   

そろそろ日本への帰国日が近づいてきたので、身の回りの整理を始めました。物を捨てるのが苦手な性分なので、苦労します。PDFファイルを持っている論文の印刷物については、積極的に捨てていこうとしているのですが、書き込みがしてあることも多く悩ましいところです。

大量の本も悩みの種。こちらに来てから毎年少なくとも10万円以上は書籍に費やしているので、分量的にもシャレになりません。もう読まないであろう本があるなら峻別して処分すべきなんでしょうが、なかなか踏み切れません。

# by sohei719 | 2009-05-05 16:34 | 徒然

危機に際してのメディア報道   

ついに我がロードアイランド州でも、新型インフルエンザ患者が確認された。さらに、プロヴィデンスのダウンタウンにあるジョンソン&ウェールズ大学でも複数の「疑い例」が見つかったとのこと。ただ、感染・発症初期に適切な投薬(タミフル・リレンザ)を行えば、ほぼ問題が無いことも明らかになってきているのは心強い。

今回の一連の報道をみていて、アメリカのメディアの冷静な対応にとても感心した。特にCNNの名物キャスターであるサンジェイ・グプタ医師が、騒動のかなり早い段階でメキシコシティに入って、現地の正確な情勢を伝えようとしていたのが印象的だった。

一方で、日本の一部メディアが、国内の「疑い例」発生を報道する際に「水際阻止失敗」などという無駄に不安を煽る題名をつけていたのが非常に残念だ。メディアの使命は「事実」を報道することであって、無駄な憶測を交えることではない。

今回の騒動の渦中に、TwitterやブログなどのWebサービスをみていたのだが、正直なところ、不安を煽るものが多かった。ネットばかり見ていると、まるで世界が終わりを迎えるのではないかと錯覚を覚えてしまったくらいだ。ネットには、そうした負の感情をポジティブにフィードバックしてしまうメカニズムがあるのかもしれない。

「事実」を報道する機関としてのメディアの価値は、こうした状況下で最大化されるのではないか。自称メキシコ在住医師のブログ書き込みよりも、CNNの映像つき報道の方がよっぽど信頼できる。ネットの利便性が向上しても、「事実」を報道する機関としてのメディアの需要は確実に残るだろう。

同時に、事実を適切に報道できないメディアはいらない、ということでもある。メディア産業に従事する人間には、社会の安定に関わる重要な機関である、という自覚をもって仕事に臨んでもらいたい。これは対象がインフルエンザでも金融問題でも同じことだ。

我々が恐れるべき唯一のものは恐れそのものだ。Only Thing We Have to Fear Is Fear Itself. (フランクリン・デラノ・ルーズベルト)
ものをこわがらな過ぎたり、こわがり過ぎたりするのはやさしいが、正当にこわがることはなかなかむつかしい。(寺田 寅彦)

# by sohei719 | 2009-05-04 13:11 | 徒然