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博士論文の最終関門ーディフェンスーを突破   

ディフェンス(口答試験)が無事終了しました。これは論文委員と呼ばれる教授陣による試験で、博士号を取得するための最終関門となります。ブラウン大学の場合、他の多くの大学と同じように、最低3名の教授が委員を務めます。私の場合ホーウィット、セラーノ、ソフォクレスの3教授でした。マクロ理論家ホーウィットとミクロ理論家セラーノの組み合わせは珍しいのですが、博士論文の内容からこのメンバーになりました。

さて、このディフェンス、昔は本当に「難関」であったようですが、現在は儀式的な意味合いが強くなっています。実際、ディフェンスで不合格になったという話はあまり聞きません(ボストンの某大学で「Do one more year」と言われて不合格になった人がいるそうですが・・・)。「アメリカ大学院留学」という本には、次のような恐ろしい記述があります。こんな時代もあったんですね。
論文に対するディフェンスがはじめて実施されたのは、数百年前のヨーロッパである。当時のディフェンスは、血で血を洗う闘いといってもいいものであった。防御側(学生)は、敵に囲まれ、たったひとり大講堂へ乗り込む。学生の武器は自分の頭脳と分厚い論文だけである。大講堂には、なんとかしてこの学生の無能ぶりを証明してやろうと意気込む学者たちが待ち構えている。学生は講堂を埋めつくした学者を相手に討論を交わし、自分の論文を「防御」しなければならない。自分の立場を守り、当時「dispution(討議)」と呼ばれていたスキルを巧みに使って次々と挑みかかってくる敵たちをなぎ倒した者が、博士号の栄冠を勝ちとったというわけだ。(「アメリカ大学院留学」ロバート・L・ピーターズ著、木村玉己訳)
ディフェンス当日の様子
ディフェンス開始時刻よりも一時間半ほど早めに経済学部に行き、映写装置(プロジェクター)を借りました(ディフェンス会場のBlistein101には備え付けられていないため)。そして、自分のノートパソコンにつないで、早速スライドをチェックしようとすると、いきなり問題発生。プロジェクターの出力が明らかに異常で、が出力されません。色々設定を変えてみても直らず。「まだあわてるような時間じゃない」と言い聞かせつつ調べていると、ケーブルが断線していることに気づきました。事務で代替ケーブルを借りて無事解決。その後、教授が来て「先日、Sのディフェンスでプロジェクターがうまく機能したなかったんだけど、今日は大丈夫だね。」と言われたので、ケーブル断線のことを話すと「素晴らしい。君はSがPassできなかったディフェンスの最初の関門をクリアしたよ」と言われました。何事も時間的に余裕をもっておくべきということですね。

ディフェンス自体は、博士論文を構成する3つの章それぞれを10~15分程度で説明しつつ、教授陣の質問に答えていくという感じで進みました。最終的に1時間(説明30分、質疑応答30分)程度と綺麗におさまって良かったです。思ったより質問が多かったのですが、あまり詰まることなく答えられたのは、きっと入念な事前準備のおかげでしょう。質問も攻め立てるような感じではなく、論文をどのように発展させるべきか、といった建設的なものが多かったような気がします。

yyasudaさんのときのように、プレゼン終了後に部屋の外に出されることはありませんでした。これは去年の先輩のときと同じですね。Chairである指導教官が、その場で残りの二人に確認をして「おめでとう。君はディフェンスをクリアした。」と宣言しました。これでディフェンスは終了です。その後、先生方に握手と「Congratulations!」の言葉を頂きました。論文の最終稿提出などまだやらなければいけないことはあるのですが、慣例的には、この時点で「博士(Ph.D.)」を名乗れるようです。

これで終わりだと思っていたら、実はまだイベントが残っていました。学部Staffがシャンパンとグラスを持って来てくれて、その場で乾杯するという嬉しいサプライズです。個人的に知らなかっただけで、秘密のイベントというわけではないのですが、予想外だっただけに喜びもひとしおでした。このシャンパンのコルクは大切にとっておきます。他大学でも、こうしたイベントはあるんでしょうか。

最後になりましたが、ここまで来ることができたのは、ひとえに妻の助けのおかげです。博士論文の謝辞に載せた文章を引用しておきたいと思います。
Greatest thanks of all go to my wife. She supported me in every possible way and helped me keep my life in proper perspective and balance. This dissertation is dedicated to her with my deepest love, respect, and gratitude.

by sohei719 | 2009-05-02 20:09 | 経済学

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